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節水型トイレの洗浄水量はどれくらい?日常生活でできる節水方法も併せてご紹介!
近年、各メーカーから節水型トイレが提供されています。従来のトイレと比較して洗浄水量が大幅に少なくなっており、水道代を節約できる他、環境にも優しいトイレとして注目されています。
しかし、節水型トイレの洗浄水量は、具体的にどれくらいなのでしょうか。
そこで本記事では、メーカー各社の節水型トイレの洗浄水量を紹介します。また、節水型トイレのメリットやデメリット、日常生活でできる節水方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
トイレの洗浄水量はどれくらい?
一般的なトイレと節水型のトイレでは、使用する水量が大きく異なります。
トイレメーカー大手であるTOTOでは、かつては一回の洗浄で約13リットルを使用していたトイレを、2009年~2010年発売のモデルでは4.8リットル、2012年発売のモデルでは、1回あたり3.8リットルと大幅に節水できるトイレへと変革してきました(※1)。
節水型トイレが少ない水量で洗浄できる理由は、水を流す構造にあります。従来型のトイレが便器のふちから下に向かって水を流していたのに対し、節水型トイレは渦巻き状の水流を作り出すことで、少ない水量でも便器全体を効率的に洗浄ができるようになっています。便器の素材も、汚れが付着しにくい素材を使用することで、少ない水量でも汚れを落としやすく、清潔さを維持可能です。
また、現行の日本工業規格(JIS)により洗浄水量の基準が明確化され、従来型と節水型トイレの性能の違いが一目で分かるようになりました。(※2)
※1 参考:TOTOサニテクノ株式会社.「商品の歴史」
https://tst.jp.toto.com/product/history (参照2025-02-21).
※2 参考:一般社団法人 日本レストルーム工業会「規格・基準-統計・資料|トイレナビ」
https://www.sanitary-net.com/trend/standard/standard-jis.html (参照2025-02-21).
最新の節水型トイレに交換するメリット
トイレを最新の節水型に交換すれば、さまざまなメリットがあります。具体的なメリットは次の通りです。
- 水道代の節約になる
- 電気代の節約になる
- 掃除が楽
それぞれ詳しく解説します。
水道代の節約になる
節水型トイレへ交換すれば、水道代を節約できるメリットがあります。従来のトイレと比較して、使用する水量が大幅に少なくなるためです。
例えば、前述のTOTOのケースでは、従来型の13リットルタイプのトイレと、最新の3.8リットルタイプの節水型トイレを比較すると、およそ75%もの節水が可能なため、水道代を大幅に節約できます。
ただし、節水効果はメーカーや機種、使用水量によって異なるため、事前の確認が必要です。現在のトイレと、交換を検討している節水型トイレの使用水量を比較し、節水できて使いやすいトイレを選択しましょう。
節水型トイレへの交換は、日々の生活費を抑える有効な手段と言えます。
電気代の節約になる
節水型トイレへの交換は、水道代だけでなく、電気代の節約にもつながります。
特に、冬場の寒い時期に暖房便座や温水シャワーを使用すると、常時電気を使うことになるため、電気代がかさんでしまうのがデメリットです。
一方、近年の節水型トイレには、使用しない時間帯の節電機能が搭載されている機種もあります。日々の使用状況を学習し、トイレを使用しない間は電力消費を抑えられるため、無駄な電気代の削減が可能です。
1日に節約できる電気代はわずかでも、年間で考えると相応の金額になります。節電機能付きのトイレに交換することは、無駄な電力消費を抑え、電気代を節約する賢い選択肢と言えます。
掃除が楽
節水型トイレは、掃除のしやすさも魅力です。
従来のトイレは、水が縦方向に流れるため、便器の隅々まで洗浄するのが困難でした。一方、節水型トイレでは、渦巻き状に水が流れることで、少ない水量でも便器全体の汚れを効率的に落とせる設計になっています。
また、除菌機能付きのタイプや、汚れにくい加工が施されたタイプも登場しており、清潔な状態を保ちやすいトイレが増えている状況です。
さらに、タンクレスタイプのトイレは、本体の裏側が掃除しやすい構造になっているため、トイレ全体の清掃が楽になります。壁付けタイプにすると、便器を床面から浮かせることもでき、床の掃除も簡単になるでしょう。
節水型トイレへの交換により、日々の掃除の負担を軽減し、より快適なトイレ空間を実現できます。
節水型トイレに交換する際の注意点
節水型トイレに交換すれば、さまざまなメリットを享受できますが、一方でデメリットも存在します。具体的なデメリットは次の通りです。
- 本体代や工事費が高い
- 詰まりやすい
それぞれ詳しく解説します。
本体代や工事費が高い
節水型トイレへ交換する場合、本体価格に加えて設置工事費用も発生するため、初期費用が高額になるのがデメリットです。総額では数十万円程度必要になるケースも珍しくありません。
リフォーム費用を少しでも抑えたい場合は、必要な機能だけに絞ったシンプルな節水型トイレを選ぶのがおすすめです。また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討すれば、費用を抑えられるでしょう。
初期費用はかかりますが、長期的に見れば水道代の節約効果で費用を回収できる可能性が高いため、長期的な視点からコストを考慮して検討することが重要です。
詰まりやすい
節水型トイレは、使用水量を少なくすることで節水効果を高めていますが、その反面、詰まりやすいというデメリットも指摘されています。
従来のトイレと比較して、一度に流れる水量が少ないため、トイレットペーパーや排泄物が配管内で詰まりやすくなる恐れがあるためです。特に、トイレットペーパーを大量に流したり、水に溶けにくいものを誤って流したりすると、詰まりの原因になります。
しかし、適切な使い方をすれば、基本的に詰まる可能性は高くありません。トイレットペーパーを一度に大量に流さない、水に溶けないものはトイレに流さないなど、一般的なトイレ使用時のマナーを守れば、長期間問題なく使用できるでしょう。
また、万が一詰まってしまった際は、初期段階の詰まりであれば、ラバーカップを使用して対処できることも多いです。節水型トイレは、適切に扱えば、詰まりのリスクを抑えつつ、快適に使用できます。
主なメーカーの節水型トイレを比較
ここでは、主なメーカーの節水型トイレを比較します。比較するのは次のメーカーのトイレです。
- TOTO
- LIXIL
- Panasonic
TOTO
TOTOでは、節水型トイレ・ネオレストシリーズを提供しています。洗浄水量は3.8Lです。
中でも、上位モデルのネオレストシリーズNXは、トイレ使用前のプレミスト機能で使用後の汚れが付きにくくなる他、渦巻き状の水流でトイレを洗浄するトルネード洗浄で効率的なトイレ洗浄を実現しています。
また、掃除をする際に、リモコンで便座内や便座裏の先端部分にミストを噴射するお掃除ミスト機能によって汚れが浮き上がるため、掃除がしやすく、目に見えない汚れの拭き残しも防止できるのが魅力です。
トイレ本体には、セフィオンテクトと呼ばれる特殊なガラス層が焼き付けられており、便器内部の表面はとてもなめらかです。見た目の美しさに加えて、優れた耐久性があるため、長期間きれいにトイレを使用できます。
※参考:TOTO「節水型トイレ」
https://jp.toto.com/pages/products/kodomomirai-jutaku/toilet/eco_toilet/ (参照2025-02-21).
LIXIL
LIXILでは、強力な洗浄機能と節水機能を両立したトイレ・SATIS(サティス)シリーズ(SATIS X・SATIS G・SATIS S)を提供しています。
それぞれ、ECO5またはECO6という2つの節水タイプから選択でき、それぞれの浄水水量は次の通りです。
- ECO5: 大洗浄:5リットル(大8リットルから約49%の節水)
- ECO6: 大洗浄:6リットル(大8リットルから約34%の節水)
※SATIS XはECO6のみ、SATIS GはECO5のみ、SATIS SはECO5とECO6から選択可能
ECO5の場合、大洗浄13Lモデルと比較して、年間約13,800円、大洗浄8Lモデルと比較して年間約6,100円の水道代節約が可能です。また、節電効果も高く、年間約7,500円の電気代を節約できます。
また、SATISシリーズでは、アクアセラミックを採用しており、水垢や汚れが付きにくくなっているため、トイレ掃除がしやすくのが魅力です。
※参考:LIXIL「サティス:エコ」
https://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/satis/function/eco/ (参照2025-02-21).
Panasonic
Panasonicでは、節水型トイレ・アラウーノシリーズを提供しています。
アラウーノVの洗浄水量は、小洗浄で3.0L、大洗浄で4.6Lです。水が旋回して少ない水量でもきれいに流しきる効率的な水流が特徴で、高い洗浄力と節水を実現できる3Dツイスター水流が搭載されています。
また、便器には有機ガラス系の素材が採用されており、水垢が固着しにくいため、汚れがたまりにくいことに加えて、割れやひび、傷にも強くなっています。
さらに、便器のふちの裏がない形状で、一拭きできれいに掃除できるのもポイントです。陶器トイレ独特のくびれやすき間が少ないため、掃除にかかる手間も削減できます。
独自の素材と水流技術により、節水性や清掃性、快適性を高いレベルで実現しているPanasonicのトイレは、長期間の節水効果を期待できるトイレです。
※参考:Panasonic「タンクレストイレ:New アラウーノV」
https://sumai.panasonic.jp/toilet/alauno/new_alauno_v/ (参照2025-02-25)
日常生活でできるトイレの節水方法4選
自宅に節水型トイレがない場合、工夫してトイレの水を節水する方法があります。
具体的な方法は次の通りです。
- 小レバーで流す
- お風呂の残り湯を使う
- 節水グッズを使う
- 2度流しをしない
それぞれ詳しく解説します。
小レバーで流す
日常生活でできるトイレの節水方法として、小洗浄を利用する方法があります。
トイレの洗浄レバーには大と小があり、それぞれ流れる水量が異なるためです。特に、古いタイプのトイレでは、大洗浄と小洗浄で使用する水量が大きく違うケースがあります。大洗浄は主に大便用、小洗浄は小便用で使い分けるのが基本です。ただし、古いタイプのトイレには、小洗浄でトイレットペーパーを流せないものがあります。
ボールドタイプと呼ばれるトイレでは、レバーをひねっている間だけ水が流れる仕組みになっており、トイレットペーパーは流せません。このタイプでは、大小に関係なく、トイレットペーパーを使った場合は大洗浄を使用する必要があります。
一方、レバーをひねると水が一気に流れ、レバーが軽くなるノンホールドタイプなら、小洗浄でもペーパーを流せます。
近年のトイレはノンホールドタイプが主流なので、小洗浄を適切に利用すれば効果的な節水が可能です。自宅のトイレのタイプを確認し、大洗浄と小洗浄を使い分けて、無駄な水の使用を抑えましょう。
お風呂の残り湯を使う
お風呂の残り湯をトイレの洗浄水として再利用することも、有効な節水方法の1つです。
一般的なトイレでは、1回の洗浄で8~10リットル程度の水を使用するため、残り湯を有効活用すれば水道料金を節約できます。
残り湯を使う方法は、トイレタンクに直接入れるか、便器にバケツなどで直接流し込むかの2パターンで、手軽にできるのは、便器に直接流し込む方法です。
残り湯を使う際は、5L以上のバケツで1~2杯を目安に流すと良いでしょう。ただし、入浴剤が入ったお湯は配管を傷める可能性があるので、使用しないようにしましょう。また、残り湯をくみ置く際は、雑菌が繁殖しないよう、できるだけ早めに使うことが大切です。
お風呂の残り湯を再利用して、無理のない節水を継続してみましょう。
節水グッズを使う
さまざまな節水グッズを活用すれば、トイレの節水が可能です。
例えば、節水リングは大洗浄で流れる水量を調節できるアイテムで、通常の大洗浄で流れる水の40%程度まで減らせます。また、排水量を調節するアイテムを使えば、約20%程度の節水が可能です。これらのグッズは、ホームセンターなどで手軽に購入できます。
さらに、水洗トイレ節水器を使えば、タンクに水がたまる際の無駄水をカットできるため、より高い節水効果が期待できます。やや高価なものの、長期的に見れば水道料金の節約につながるでしょう。
他にも、万能ロータンクボールタップやスリムタップを使えば、タンクに貯める水量を調節可能です。自分で調整すれば節水効果をより高められるのが特徴です。
節水グッズを使った、効果的な節水を探ってみましょう。
2度流しをしない
トイレで節水したい場合は、2度流しを避けることが重要です。
2度流しとは、文字通りトイレの水を2回流す行為です。例えば、最初に小洗浄で流してから大洗浄でもう一度流したり、大洗浄で2回流したりすると、余分な水を使ってしまいます。
1回の水量はわずかでも、毎回2度流しを繰り返していれば、水道料金がかさんでしまいます。
トイレを流す際は、1回で済むように心がけましょう。2度流しをしないように意識するだけで、無駄な水の使用を減らし、節水効果を高められます。日々のちょっとした意識が、大きな節約につながることを意識しましょう。
まとめ
トイレで節水したい場合、効果的なのは節水型トイレに交換することです。技術の進化によって、少ない水量での排水が可能な他、掃除がしやすいなどのメリットがあります。
小洗浄を使う、2度流しをしない、節水アイテムを使用するといった、日常でできる節水方法も試してみるといいでしょう。
また、福島市や郡山市で、節水型トイレへの交換やトイレのリフォームを検討している場合は、水回りリフォーム専門店のラクイエにご相談ください。安心価格でスピーディなリフォームが可能な他、自社職人による施工を徹底しているため、安心して利用いただけます。